2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

<805>「断片の家のために、地面は笑う」

ついに小ぶりの家は片付けられた。おどろおどろしい、色を巡っての噂や、それは妄想? ついにアけられることもなく。こちらへ迫ってくる、壁か、何か。あたたかいヒ、が隙間から漏れる。 いらっしゃい 私の家はここよ、小ぶりの家は今はもう・・・。あの、窪…

<804>「余計者の時間」

関係性のなかに名前は膨らむ。立ちどころに名前は解消する。湧く目的は湧く、私にも分からない。大仰に浸っていたいと思わなかった、ということがひとつにある。私は小さいもの、を愛していた訳でもないのだが、大仰に浸ることを順に考えていった訳ではない…

<803>「ホームランに触れる左足」

この日の夕方、まずべらぼうな舌。べらぼうな運動にやたら温度が上がり、ほとんど身体と一緒に溶けている。 順番ばかり作っていてもしょうがないじゃない 私は流れつき、二日目にはおのずと夕方を舐める。剥がれて温度が見えている。暗くなると浮かれて眠っ…

<802>「雨の日はあそこは雨」

まつりのきぬ、ころもを脱いで、ずぶ濡れの全身。とどまり、彼方での固まり、に、私の言葉が通る。私は意味と濡れている。細々と降る雨、それと、屈伸。問題はここで固まりを眺めること。なにげなく着る服。私は服とともに増えている。よれよれの下着。ふざ…

<801>「複雑な船が浮かぶ」

波間にあたらしもの、兆し、ひとり粒となってはあらたしく混じり空気と一体になってゆく。この辺で、なまあたたかさ、おそらく味方の、例えば風があなたを吹き、記憶は十年前へ飛ぶ。 聞こえない、きれい、やどかりは転ぶ。折れ曲がって順に泡を出す。出すと…