2018-01-01から1年間の記事一覧

<770>「熱」

勝手に走る。言ったことは混ざる。誰かに似て、真面目にいくつかを求められている。君は振る。一斉に走る。角からちっぽけな不思議さが現れて必要不要の掛け合い。そこでくすぐる。 何はなくても強くなりたいんだ。目的は分からない。私乱暴になることはない…

<769>「彫れ、そこ」

絶えず左へ、右へ、揺れていく運動に対し、考えが余計なものとして常に、侵入し続けるという形。私があれこれ、言いたい放題のことを言った後、必ず最後でどうしようもない違和感を覚えることからも、それは。つまりただそれだけでは納得したくない気持ちが…

<768>「瞬間的なこぼれに」

それから、上を見る。わずかばかり私のそばまでこぼれて来て、軽く拾い上げると、静かに噛む。かたい、何故か名前が流れてくる。ひどく呼んだ。それで、この場から出てきた。よく似合う。それから隣に並んだ。どうしてもからかわれる必要があった。ひどく笑…

<767>「視線のない踊り」

あなた、誰かに顔が似てますね。いやですよそんな、ほかへ行って言うのよしてください。ねえ誰かの顔に似てるだなんて、そんなふざけた話がありますかしら。あらやだ、ちょっと目と鼻と口の数でも数えていたらいいのじゃないの。誰だって顔でさな、似まさー…

<766>「跳ねて、跳ねて」

いくらかの片側。そこは名付けた通りの角になっている。人々が、なにやかやがやがやと現れるだけ、一向にあちらを見ない。要するに、どこへ向かって流れ出せばいいか、分からないままで順番に歩き出してしまったのだ。 どこへ行くの、さあ。ならば、どこにあ…

<765>「目の中に入る温度」

あなたそちらお邪魔 丁寧な声だった。聞こうものなら、そばから消えてゆく。ところで行先は私、訪ねたらしばし、近くの声の通りから幾らも隔たらないだけ、見通し、夜通しふたつの顔を行ったり来たりする様をその目に灼きつけたかと思うと、暗い。とぼとぼと…

<764>「後ろの時間に訪れて」

嘘は見えない。ただただ目を開けて、遠くの影を眺めろ。雄弁だ。舌で、あればあるだけ、舌を舐めている。感覚は私の外へ出てゆく。わずかながら残る、味とも言え、忘れたのあなたがしたたらせた。 大がかりで、不機嫌に、横に並んで眠る。なくなり方が嘘みた…

<763>「私は小さな言葉だ」

私は小さな言葉だ。当然そこで聞こえている。私は、小さな言葉になって、ひらいた窓からぎこちなくこぼれている。徒につままれて、いちどきに表情、ただそこは曇り。ひとつかむとも知れぬ、なごりのない揺らぎ。 いくらでも滑り慣れている言葉へ両方の手を乗…

<762>「声のまま、ここまできて」

ひとつの通りを、声のまま渡って行って、適当なところへ落ち着くと、もう元へは戻れない。いやしかし、こうしてまた同じところへきているのではないか。それはそうだ。しかし、戻ったのではない。どこかで見たことがある。見たことがあることすら、新しさを…

<761>「組まれた線」

見事な目線のなかに私がいる。いつかは知らない。きっと、話しかけている、から、そのそば、わざと、当然に疑問、それぞれで応える。混ぜ合わせながら足音を拾った。振り向いたらカラだった。 わざとじゃないのったって、穴。スポリ、とはまれるのでなく、私…

<760>「方法が壊れて」

ひとつところに留まっていなければならないような顔をしている。しかし、私と外とは関係だ。何か訳の分からぬ動きの出てきたときに、そこから少しずつズラしていく必要がある。それはつまり戻すということだ。戻す、と言っても、ゴールに戻すということでは…

<759>「当たり前の、呼吸をひきずる」

ここがまだ外、ここからうかがうことが出来、かつ、きれいなもの。誰かから声がする。奇妙に、覆うとも、払うとも知らず、そばへぞろ、ぞろ、ぞろ。確かに寄らせ、分からせ、今すぐにでも走る、うかれる。 無音のなかへ出て、大きく停止する。動くつもりを持…

<758>「声の転倒する先」

なにげなさ、と私でふたり。まるで関係がない。片付けられると、すぐに、充分な雰囲気のなかでまるまっている。後には誰が続くのか。応える人は、どこか遠くを見ていて、通常の声とて、転がって、どこへ。 あらかじめ集めておいたはずのものとの語り。お望み…

<757>「漏れる量の」

いきなり、ではない。ただひとつごっそりと抜け落ちたあとの立ち位置で、述べるにしては長たらしいものがあった。一から十まで、その途中に何の漏れもないこと、そのいちいちに疲れていた。今考えればそうだと思う。 全くもって別のものになりますよ、承知で…

<756>「この一点」

とにかくも、立ち上がった。やたらに静かだった。俺は、何にもない一日を思い出して、これもまた静かだと思ったものだ。別れと、ふさわしくないものに、突然、弱々しさと風が当たりはじめる。ああ、今度もまた、俺の年齢がない。 例えば、全部が全部、このた…

<755>「夕方をくれろ」

お前の横で、ハタと倒れたところで、お前には見えていない。どうしたものか、考えるそばから、わざと集まる。苦しさを、知らないと言っては笑ってしまうし、知っていると言ってもそれは同じことだ。いとも簡単にくだらなくなってまたすぐ始まっている。 訳を…

<754>「豊富なひとつの息」

続々と誘う、誘われる。これがともかくも案内された表情だったことがひといきに分かる。分かりましょう、今度もまた今度も。なるほど、ひっくり返しては、目の前にある、弾みがちな言葉。全部が全部に触れている。 わずかの隙間でも、どうでも、おそろしいば…

<753>「語らせた跡」

あしたまた語らせにしたまま、とても、長い、長いゆき方がある。不足ともまたかかわり、わざと、どうでもよさと一緒になってみたり。わざわざ感情にかかわらせる辺り、いまいちスムーズに対する疑問があるみたいだ。 誰かが角度を言った。それに合わせるだけ…

<752>「種」

たね、まかる。まかると、軽い。たね、まかれて、かぶさる。ことごとととも、まじわり、恥ずかしい。たねごと、飲み下して、またたね、少しだけのぞいている。たねとて、見ている。たね、まかる。だれのほう、だれのほう。飛び上がるくせ、また訪ねる。例え…

<751>「理の点」

影にあなたからかかり出す。ところでこの、ことわりは。ただ出た、それも言葉に対する、曖昧な笑み。拾うのと、ほとんど同時に、違う顔をしていなければならない。ただの不安からいつでも呆れる用意をしておく。 わざわざある。知らずと言えども、わざわざあ…

<750>「湧き難さと別れの挨拶」

ひとりの短い雨が水底からこちらをじいと眺めている。無闇やたらに照らした手当たり次第のひとつがお前だ。お前が、いまひとつ乾いている必要があるそうだぞ、と、誰にともなく語ってきかせていた。 当たり前と、肌と、触れ方と。呼吸の私、呼吸のあちら。な…

<749>「ただれからはがれて」

揺れに沿ってあるのか。ただか、そうかも言えず、一応の果てしなさを待っている。訪ねると、ときどき、入ったりしないような、遠目から眺めても全く同じだとどこか変だと言って、まず歩くのかもしれない。 重なりに、重なって、見えなくなって、安心している…

<748>「そこで跳ねているのは」

幾度通るか分からない。幾度通っても分からない。いや、ともかく、分からないことにした。分からないことにした後、とてもとても違いというものが明らかになるのだとした。 「同じ日は、同じ日で、またどこかにあるのじゃないかしら」 どうにも、急がれて、…

<747>「いつの光量」

ひどく懐かしくもあれ、明日にすら吹いているもの。どれと、どれが、頭から離れたくてひとりでいるの。わざとでも、話なら嬉しい。わざとでも、話ならわびしい。急だから、急いでいること、そこらじゅうに揃えて・・・。 言葉まで待っているなど私もそうか。…

<746>「増える言葉、沈黙」

とても良い、その少し前なのに、当人は何も感じられないことだよどう思おう。当人は気持ち落ち込んでいるぐらいだからどう話そう。彼から先、そうそう、よく見たね。関わりが密でも全然関係がなくっても、明らかにここから動き出したがっているそれならば一…

<745>「たがえたがえ」

たがえたらたがえただけの絡まりを。よく見たらよく見られただけで共感を。わざとじゃなければ、一度だけ、よそにゆく話を、誰彼になく話していたらいいと思う。思えば、ここらに寝そべって、こんなの誰だもないだろうと。 よろしいよろしい。私には蓋に似た…

<744>「この場所の遠近」

誰か、今この場所で、突然と言ったのは。だらり、と語らえる。混ぜていて、わりかし、簡単な感情たちだけで淡々と通る。彼から、そのまま、ひとりへと揺すぶられていても、想像の外を過ぎるものはそうそうない。 いくらでも、と聞こえる。いくらでも、と澄ま…

<743>「かけらから飲む」

欠片ならさらにある。訳もなく、是非もなく。まだかまだかのなかから新しく弾む歌。駆け出しに何故か、いつもより古い声。聴けると、語るか、忘れも、しないか、するとどうか。ワクワクと湧き上がる並ばれ。 頭だけ、いつもと同じ、見えている。沢山と、いう…

<742>「置かれた名前」

そばで、人に似合うものだけを乗せて。あら感想とともに通れよ、お前が映るとも知らない明かりで片仮名になりテンションも上がる。傍らにわざとらしく置かれた私の名前、いくらでも呼ぶ、誰かとは知らぬ。 危なさ、を私の代わりにして、これからだの、関わり…

<741>「不明の道」

どう考えたってあんた、訳分かんないよ、という態度を信用している。それも放棄を取るのでなく、その場での果てしない回転を取るあたり、私とそっくりではないか。とすれば、私は、私を、信用しているのだろうか。 何かを信じていなければ、動かれない訳でも…