2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

なんだ、ホッとした

思い込みというのは概して勝手なものであって、というのも、ある元プロ野球選手が、現役晩年頃は怪我に泣かされ、寂しく現役生活の幕を閉じていたことから、私の妄想は勝手に、その選手の引退後の生活は悲劇で彩られている、というような方向へ向かっていた…

突然、ほんの一瞬だけ飽きる

友達とワイワイ楽しく遊んでいるとき、面白そうなテレビ番組が同じ時間に重なっていて、どちらを観ようかと楽しい悩みを抱えているとき、本屋に行って、今日は一体どんな本を買おうかと目を運ばしているときに突然、それもほんの一瞬のことだが、その楽しみ…

関心を持たないのは嘘?

「関心を持たないのは嘘だよ」 特に、大きな問題、悲惨だと思われる問題など、それらの問題に関心を持たないのは、どこかで自分に嘘をついているのだ、と。果たして本当にそうか。 努めてそういった類の問題に関心を向けようとしている人だって、全ては追い…

「かのように」再読につき~父親との問題~

『所詮父と妥協して遣る望はあるまいかね。』 久しぶりに『かのように』を読んだ。今回の読書で気になった点は冒頭の台詞、むろん秀麿の台詞なのだが、秀麿は、自身の、 「かのようにの思想」 が、父親に危険視せられることをやけに怖れている。何とかそこの…

遊び足りない

「遊び足りない」 と思うとき、それは純粋に時間の無さを嘆いている場合もあれば、自身の遊ぶ能力の至らなさを嘆いている場合もある。 遊びの内容、用意された時間に対して、本当はもっと遊び切れるはずだという悔しさが込み上げたとき、 「遊び足りない」 …

帰りたい

帰りたい。早く帰りたい。家にいるのだが。 「家にいても、帰ったって感じがしないときあるよねえ」 当たり前に共感を得ると思い、無邪気に訊いたら、寂しそうな顔をしていた。訊かない方が良かったかな、と思ったか。いや、あまり何も思わなかったような気…

気を使う方向、箇所が違うだけ

俗に言う、 「気を使える人」 とは、多くの人が、 「この方向、この箇所で配慮してほしいなあ・・・」 と思うところで気を使える人のことを指すのであって、本当に、全く、 「気を使えない人」 というのは居ないのだろうなという思いを抱いている。そう評さ…

何かを奪われたか、失ったか

昨日の話の続きみたいなもので、仮に、そんなことが実際に可能かどうかの判断は置いておくとして、完全に、 「今日の為だけに」 生活を営んでいる人がいたとする。 すると、 「突然明日が来なくなる」 という事態は、その生活者から何かを奪っていけるのであ…

生活

生活は誰の為にしているか。それは私の為だろう。では、生活は何時の為にしているか。これは少し難しい。 仮に、今日の為に、今の為にしているとしよう。ではその状態で、ある日突然、 「もうこれ以上明日は無い」 ということが確定されたら、今やっているの…

全うするとは・・・

また、同じ絵の前に佇み、飽きもせずぼんやりと眺めている。何故この絵が好きなのかはよく分からないが、何となくまた見てしまう。 「37年の生涯だったのだな・・・」 描いた人の生きた年数だ。37年。 「短い・・・」 と考えたところで、はて短いとはど…

断絶していないと不満

以前、『起きていることに飽きる』というものの中で、全く眠る気にならずとも、起きている時間があんまり長くなると、起きていること自体に飽きてきちゃうから、結局寝てしまうんだ、というようなことを書いた。 また、それ以外にも、夜になって大して眠くも…

サボる

サボる、それも徹底してサボるということは難しい。どうしても事に臨めばのめり込むし、同じ動き、働きを繰り返していれば、いくら気持ちを緩めようとも、身体は丁寧に習慣通りの動きを辿ることとなる。また、物事を続けているうち、自己流のルールが勝手に…

鏡の前に立つ。よくよく自身の顔を見つめてみると、普段とは少し様子の違っていることが分かる。確かに私の顔には違いないのだが、それでもハッキリと、閉じている顔貌との類似を示す方向へと変化しているのが窺える。 だが、別段驚かなかった。こういうこと…

点滅

眠気も大してひどくなく、半ば休憩するような心持ちで布団に入った。枕元にあったラジオの電源を入れ、チャンネルを合わす。今日は、やけにパーソナリティの声が遠く、話も途切れ途切れにしか伝わってこない。 「眠くないとはいえ、億劫だなあ・・・」 むろ…

外側は何も変わっていないのが不思議でしょうがない

精神的に調子が良いときは、あらゆる可能性が開き、その全てが実現されていくような感じがし、精神が閉じているときは、どのような道であれ、その全てが閉ざされたように感じる。 こうやって気分のリズムが変動しているとき、私の外に拡がる世界の方では、別…

どうしても、なら止めない

「いや、そこは後一歩押せよ」 あるいは、 「いや、止めろよ」 と、自分で選択したにも関わらず、私がそれをそのまま尊重すると怒る。冷たい奴だ、と。 しかし、 「人間は、ひとつの小宇宙である」 などという大仰な台詞を吐くまでもなく、人間ひとりの存在…

ベランダでは駄目

今いる場所と心的状態とは繋がり合っていることが多く、例えば、家という空間の閉鎖性と自己の閉鎖性とは、どちらがどちらを導いたか、相互に影響を与えあっていることがあり、また、自己が閉鎖しだしたときに家の中を求めるのは、その閉鎖性に吸い寄せられ…

一体どうしたら良いって言うんだ・・・

あれも幻想、これも幻想、確かにあると信じているのは勝手な思い込み。そうやって、厳として存在しているかのように見せかけているものを、丁寧に丁寧に剥いでいく。そこまでは良い。 だが、そうしていると、その先に、 「じゃあ、一体どうしたら良い?」 と…

透明になる快楽

あの人はああである、この人はこうである、最近はこんなことになっているらしい、などの噂話を展開しているとき、私というものはどこかへと消えてしまっているように感じる。透明になっているようだと言っても良いだろう。 他人の印象、近況を思うままに語り…

足だけの為に

厳しい寒さが一旦落ち着いた為か、夜中の布団でひとり、上がるテンションを抑えることに苦悩していた。いかに寒さというものが気持ちを萎えさせているかを痛感するとともに、暖かいということがどれだけ有難いかを再確認出来たのは良かった。だが、明日の朝…

相手のことを想って叱っている 説教がタメになる

「叱る方が辛いんだよ。これはあなたの為を想って言っている。」 なるほど、結構なことだろう。自分の説教が効果を発揮すると知っていて、なおかつそれを的確なとき、的確な言葉で持って届けることが出来ると信じているのだろう。 しかし、それはひとりでに…

めんどくさい、とは言わなくなった

「何か言ったらどうなんだ?」 揉める原因があるとも思えないところへ、まるでわざとのように揉め事を作り出し、延々と、会議の真似ごとをしている。めんどくさい。それが率直に抱いた気持ちだ。もともと問題がないのだから、いくら話し合おうがそこに解決法…

浮いちゃあいない

「あれ? お尻のとこ穴開いちゃった? いやあ困ったなあ・・・」 帰宅して、外出用のズボンを脱ぎ、何気なくそのお尻辺りの部分を眺めていたら、目立つほどではないが、小さな穴が開いていることに気づいてしまった。 さすがにこれは新しいものを買った方が…

動物的でない人を恐れる

感情も大きく外に表さず、淡々と進み、機械的にも思えるほど同じことを何度も何度も繰り返す人を見て、 「人間臭くない」 と評することがあるが、その実これほど人間的な動き方も他にないのであって、様々な気持ち、例えば倦怠あるいは無力感であるとかを、…

未だに楽しい

「楽しいなあ・・・」 湯船に浸かりながら、かつての愉快な思い出に身を委ねているとき、思わずそう口にしていた。 「楽しかった」 ではないのか、と問うてみたが、その問いを否定することもないまま再び、 「楽しい」 という呟きが、風呂場に低く響き渡って…

一閃

「前に、神宮球場へも行ったことあるけどね」 腕にリストバンドをはめ、メガホンを持った姿でドーム最寄りの駅に着いた私に、親はそんな言葉を投げかけた。私が、 「野球を生で観るなんて・・・野球を生で観るなんて・・・」 と、初観戦さながらのような興奮…

体力で優っていても、元気では到底敵わない

例えば、小学1年生とアスリート級のマラソンランナーとを較べたならば、後者の方が、体力に関して言えば完全に優っているということになるだろう。そもそもの鍛え込み方が違うから、比較することすらおかしい、筋肉量なども違うからフェアではないという話…

知覚できない道

距離にして200~300mくらいだろうか、バイト先と自宅とを往復するために使う30分ぐらいの道のりで、ちょうどそこだけ知覚できない通り、というか道がある。何と言ったら良いか、確かにそこを通っているはずなのだが、通った実感が、いつもまるでな…

今も気づいていない

同級生と肩を抱き合い、オンオン泣きながら別れを惜しむ人たちを横目に、証書の入った筒を慰みにいじりながら、なかなか終わらない卒業式の時間を潰していた。 卒業式はこのときが初めてではなかったから、この日を境に、ここに集合している人たちがまた一堂…